代表・理事挨拶

代表挨拶 理事挨拶

秋山正子 共同代表 理事

訪問看護師
(株)ケアーズ・白十字訪問看護ステーション代表取締役所長
特定非営利活動法人白十字在宅ボランティアの会理事長
新宿区介護サービス事業者協議会副会長
東京女子医科大学非常勤講師
厚生労働省がん対策推進協議会委員など

看護大学を卒業後、主に臨床や看護教育に携わってきました。19年後、二つ上の姉(当時41歳)のがん闘病経験から、これからは病院ではなく、もっと生活の場で過ごす事が出来たらと訪問看護を始めました。

それから20年を超え、この間がんの治療の様子が変わってきました。外来期間が長くなり、その間に十分な相談がどこでも受けられず、毎日の生活のちょっとした困りごとや病気についての悩みをざっくばらんに話せたり相談できたりするところがない。その状態で悶々としたまま時間が残り少なくなって訪問看護に繋がってくる。
もっといきいきとした日常が送れる時間があったのに、お薬のことのみの会話しかない病院の外来の現場・・・この実態を、同じ医療者として何とかならないものかと胸を痛めていました。

2008年11月、スピーカーの一人として参加した国際がん看護セミナーの席上で、イギリス・エジンバラのマギーズセンターのセンター長アンドリュー・アンダーソン看護師の発表に目を見張りました。「相談者が自分自身の力でものが考えられる」ようにサポートすること、「その力を取り戻せるような支援」が行われていること。
今の日本のがん患者と家族のおかれている現状には、今すぐにでも必要とされる「場」であり、「支援」であると思い、それから3か月後、仲間を募ってイギリス国内のマギーズセンターを見学。その1年後にCEOであるローラさんを日本に招聘しました。

その後、マギーズセンターをモデルにした「暮らしの保健室」を立ち上げるなど、「日本にもマギーズセンターを」と、少しずつ仲間を増やす運動を続けてきました。 そんな中で5年が過ぎた時、鈴木美穂さんと出会うことができました。
鈴木さん達がやってきたCue!の活動は、まさにマギーズセンターで行われているような内容。医療者としての我々の運動と合致できれば、東京にマギーズセンターをという夢の実現も早まるかもしれないとの思いで、若い力、殊にがん体験者の、熱い思いや、そこを支援したい人たちの願いを合わせていけたらと強く思った次第です。

それから約2年、多くの方の御支援をいただいて、長く温めてきましたマギーズセンターがここ東京で実現するに至り、「マギーズ東京」センター長として皆様をお迎えさせていただくことになりました。
背筋が伸びる思いです。継続運営のために、これからも多く方のご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。

鈴木美穂 共同代表 理事

日本テレビ報道局社会部記者・キャスター
2008年 乳がん経験
若年性がん患者団体 STAND UP!!副代表
Cue!~Congratulations on your Unique Experience代表

2008年5月、24歳のときに乳がんが見つかり、目の前が真っ暗になりました。 手術、抗がん剤、放射線、ホルモン治療、分子標的薬…治療のフルコースを受ける中、何よりも苦しかったのは、その先の未来が想像できなかったことです。
「なぜ私だけが…」とどん底の気持ちになり、家族や友達に囲まれていてもどこか孤独で、不安で、死ぬことばかり考えて、うつ状態で闘病していました。

一番苦しかった頃の自分と同じような状況の人に、あの時欲しかった情報や居場所を届けたい―

なんとか暗闇から抜け出すことができた後、私なりに動き始めました。 若くしてがんになった人を応援するフリーペーパーを作って全国のがん拠点病院に置いてもらうところから始め、今では300人以上の若年性がん患者が所属するSTAND UP!!
闘病中でも安心して参加できるヨガなどのクラスを提供するCue!

「ひとりじゃない」そう思えることがどれだけ心強いことか。ふたつの団体を立ち上げ、活動してきた中で、相談できる相手や同じ経験をした仲間と気軽に出会える場づくりの必要性をつくづく感じてきました。
そんな折、2014年3月にウィーンで行われた国際会議IEEPO(International Experience Exchange for Patient Organizations)で、マギーズセンターに出会いました。
マギーズセンターは、まさに闘病中の私が一番欲しかったもの。これまでの活動の先にいつかつくりたいと思い描いていた夢そのものでした。

その後すぐに、「日本にもマギーを」と活動してきた第一人者である秋山正子さんの存在を知って訪ね、お互いのチームに呼びかけてこのプロジェクトがスタートしました。

それから約2年、本業としての記者の仕事の傍ら、資金集めのためにクラウドファンディングに挑戦し、様々なチャリティーイベントを開催し、NPO法人になり、土地が決まって着工し、英国での視察・研修を経て、2016年10月10日、マギーズ東京はいよいよオープンします。
あらゆる友人知人にご支援・ご協力いただき、関わって下さった誰一人の力が欠けてもこの形でマギーズ東京をオープンすることはできなかったと、感謝の気持ちでいっぱいです。

英国のマギーズセンターを巡る旅で印象的だったのが、訪れた人の「この空間も人も、私を抱きしめてくれている気がする」という言葉でした。マギーズ東京もそんな場になっていけるように、これからも見守り、一緒に育てていただけると嬉しいです。
そして、マギーズ東京から、がんであってもなくても、どんな経験や傷を負っていても、一生懸命生きる人生をそのまま抱きしめて、受け止めてくれる。そんな優しく温かい社会が広がったらと願っています。